❖test版エピローグ
※これは前作「新約診断ダンジョンRPG:test版」のテキストです。
現行の「新約診断ダンジョンRPG」と直接関係はありません。
「ご無事ですかっ……よかった、無事、あの剣に打ち勝ったのですね」
「これで、この剣による脅威は避けられました……この剣による脅威は、ですが」
「この剣が暴走した原因に、あらかた想像は付いています。
……剣の"本来の持ち主"の「星」が失われ、その結び付きが消滅した結果、
手綱が離れて暴走した……おおよそ、そんな所だと思います」
「……混乱を防ぐためにあえて皆様にはお伝えしておりませんでしたが……
この剣、"流れる月"エルヴァ=ルシアは、この大陸における白魔術の力の根源なのです」
「……その剣の力が失われた今、この大陸における白魔術は近いうちに崩壊……そして消滅するでしょう」
「勿論、あなたのせいではありません。剣が暴走した時点で、最早決まっていたことでした。
その剣を止めなければ、聖域から生まれた月の軍団によって、王国はきっと滅ぼされていたことでしょう」
「……だから、安心なさってください。あなたがしたことは、王国を守るために必要なことだったのです」
「そもそも白魔術……聖霊というものは、かつてこの星を侵した魔王を排除し、小さな星々を守る為に生み出されたものです。
そしてかの戦いで魔王が復活した時、王国の人々にその力……つまり、この剣がもたらされました」
「おとぎ話で伝わる話では、白魔術は海外から持ち込まれたことになっていますが、
実際はあの子……セレーネちゃんが大いなる星から授かったものです」
「人々はその力で悪魔達を退けましたが……闇の悪魔達は人間の負の感情を食らって生きるもの。
制御を離れたこの剣は、その根本たる人間を悪魔ごと抹消しようとしたのかもしれません」
「こころがなければ、白魔術といえど結局は戦いの道具に過ぎません。
白魔術だけでなく、黒魔術も、精霊術も、占星術も……
あなた方の持つ全ての可能性は、あなた方のこころによってのみ、正しい力へと変えることができるのです」
「この剣を退けたあなた方のことを、大いなる星はどう評し、どのような存在として認めるでしょうか。
小さな星々を救った英雄として扱うでしょうか?それとも――
もしかすると、更なる試練が待ち受けているかもしれません」
「ですが、私は信じています。私達がこころを手放さない限り、星はきっと応えてくれる。
私達がこころによって繋がっている限り、どんな試練ものりこえられる、と」
「……ふふ、少し格好を付けちゃいましたね。さ、帰りましょう。
お腹も空きましたし、王国から報酬を受け取って、美味しいものを沢山食べましょう。
こころを忘れない為に大事なのは、自分へのご褒美を忘れないこと、ですから」
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