❖サイドストーリー 中庭での会話

「やっ……はっ……」

「もっと高く、相手の頭を狙ってみましょう」

「こうっ!?」

「おっと……はは、姫様は筋が良いですな」

「当然!わたくし、姉様と違ってお花よりも剣(こっち)の方が性に合いますもの!」

「これはこれは、一国の姫様としては随分とお転婆なお言葉ですな」

「だって、わたくしも貴方みたいに強くなりたいもの。
 か弱いままのお姫様じゃ、妖魔達から身を守れませんわ」

「はは、ご心配いりませぬ。我らは王国の盾。
 姫様は私達がお守り致します」

「守られるだけじゃダメなの!
 一人で冒険できるくらい、強くなるんだから!」

「おやおや、陛下が聞けば何と言うか……
 ですが、剣士としては良い心意気です。では、続きを――

(姫様ー!団長ー!お食事のお時間ですよー!)

「おっと……それより先に昼食ですな。
 今日はこの辺りにいたしましょう」

「むぅ……結局、一太刀も浴びせられませんでしたわ」

「焦らずとも宜しいのです。毎日、確実に強くなっていますよ。
 私を超えるのも時間の問題でしょう」

「本当?じゃあこのままお稽古を続ければ、いつか貴方に勝てる?」

「もちろんです。楽しみですな、その時が」

「よーし!わたくし、もっと強くなるんだから!

 明日も宜しくね、ゼルレア!」





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