❖シナリオ~智慧の鍵~
推奨冒険者
1回以上転星済み
レベルが5以上


雪降る極寒の大地、ヒェス地方。
その中心≪北方都市アナト≫にて、冒険者達はとある噂を耳にする。

――"北の賢者"と呼ばれる人物がいる――
何度かその名を耳にしたか、あるいは初めて聞く名か定かではないが、
賢者の肩書が誇張でなければ、きっと優れた智慧と知識を備えた人物なのだろう。

しかし、賢者にまつわる話はどれも不思議なものばかり。
話に挙がる人物は、果たして本当に噂の賢者なのだろうか?

手がかりを求めて北限へ繰り出す冒険者。
その道程で意外な"再会"を果たすことになる。


キャンペーン開始条件
条件名声値200が以上。
北方都市アナト≫で冒険を行う。
⚜️キャンペーンを開始する▼

❖チャプター1


北方都市アナトの酒場で情報収集をしていた冒険者は、とある話題を耳にする。

「なんでも"北の賢者"様だが、霊峰のどこかに住んでるとかいう噂だぜ」
そう言ったのは酒場「雪さかずき」の亭主。冒険者と思しき人物と話をしているようだ。
「ウチの娘がお熱でね。色々と調べまわったらしい。ま、俺らみたいな一般市民にゃあんな山登れるはずもないが」
亭主はうんざりしたように付け加えた。どうやら彼の娘が随分と賢者に入れ込んでいるらしい。
話を聞いていた冒険者も"霊峰"と聞いて頭を抱える。賢者の居場所を探ってはいたようだが、出鼻を挫かれたという表情だ。

アナトの北には広大なゴエルコ氷原が広がり、それを超えた先に聳えるのが霊峰ヒェス・ギーネ
想像を絶する極寒に加えて、歩行もままならない険しい山肌。冒険者といえど容易く立ち入れる場所ではない。
目立った賞金首もいなければ、お宝の気配もない。賢者の所在を暴くために命を賭する必要があった。

……とはいえ、賢者が霊峰に住んでいるという話に、些かの興味は引かれた。
そんな場所に住むとは、きっと只者ではない。
アナトの住民達が未だに所在を掴めていないことから、噂が単なる眉唾とも思えない。

賢者の居場所を突き止めれば、我々の想像を超えた何かを知ることができるのではないだろうか。


チャプター進行条件
条件実績<討伐:智慧食らい>を所持
≪ゴエルコ氷原≫で冒険を行う
中断可能
⚜️チャプターを進行する▼

❖チャプター2


ゴエルコ氷原を往く冒険者。
噂に違わぬ寒さに身を震わせつつ、霊峰へと歩みを進める。
仮に賢者が霊峰に住んでいるのだとしたら、この寒さ、あるいは更なる極寒の中を敢えて選んでいるということになる。

……一体、賢者サマは何を考え、このような極地に居を構えてあらせられるのか。
愚痴っぽく考えるが、明確な答えは出てこない。
どうせ「只者じゃない」か「変人」か、あるいはその両方かである。


険しくなる吹雪の中、冒険者は一人の"少女"と出会う。出会ってしまう。

氷原にはアナトの住民が訪れることもある。人と出会ったとて、おかしくはない。
冒険者の中には若年者もいる。その少女が同業者だったならば、不思議でもない。
……冒険者が驚いたのは、その恰好が氷原を進むには随分と軽装だったこと、
そして、その人物とは"再会"だったということである。

胸に本を抱えた少女、どこかその姿には見覚えが――

「……は?」 少女と目が合う。
一気に脳裏に流れた記憶。冒険者は咄嗟に武器を構えた。

「いつかのニンゲン……なんで、あなたがこんな所に」

少女――大悪魔"智慧食らい"ソフィアは、仏頂面で仇敵との再会を果たした。



暫しの対峙。少女の姿をした悪魔が先に沈黙を破る。

「……別にここであなたと戦うつもりはないけど。この先はニンゲンが来るような場所じゃない」

出てきた言葉は意外なものだった。どうやら、直ちに事を荒げるつもりはないようだ。
一方で冒険者は警戒を緩めない。一度は命を奪い合った強大な相手である。油断はできない。

それに「何故ここに」という疑問はお互い様である。
魔法都市幻想魔法図書館に巣くっていた悪魔とヒェスの氷原と出会うとは……

「用がないなら、私は行くけど」
困惑する冒険者を他所に、悪魔ソフィアは踵を返した。
確かに用事があるわけではない。だが、このまま彼女を野放しにしておいても良いのだろうか。

「ここから先は"王"の膝元。ニンゲンには多分、地獄だから」
悪魔は去り際に忠告を言い残す。
その言葉に戸惑う冒険者を他所に、いつしか悪魔の姿は吹雪に紛れていた。



チャプター進行条件
条件≪霊峰ヒェス・ギーネ・中腹≫で冒険を行う。
中断可能
⚜️チャプターを進行する▼

❖チャプター3


「これはこれは、ご機嫌よう、冒険者君。旅の調子はどうかな?」

極寒の中、まるで隣人にでも出会ったかのような気軽さで声を掛けてきたのは、
色白というには蒼白すぎる肌を黒衣で包んだ長身の男だった。

冒険者がいるのは、登るにつれてその寒さを厳しくする北限の霊峰である。
そこに現れた人物。その容姿や特徴には思い当たる節があった。

"北の賢者"
冒険者は半ば直感的に判断した。彼こそが、この山に住むと噂される賢者に違いない。
「どうしたんだい?人の顔をまじまじと見て」

思いがけず早々と訪れた出会い。だが、いざ対面すると、咄嗟に言葉が出てこない。

「なに、気圧されているのだとしたらすまないね。私も君をどうこうするつもりはないのだが。
 こんなナリだ。君が不気味がるのも無理はないだろう。だが安心してくれたまえ、私は優しい方なのでね。
 ……しかし残念だ。今は少し時間がない。楽しいお喋りはまた今度にさせてもらおうかな」

呆気にとられる冒険者をよそに、賢者と思しき男は次々と話を進める。
どうやら、すぐに行ってしまうようだが。

「……あるいは、君の方から来るかもしれないね」
冒険者の肩をポンと叩き、囁くように告げる。

「大いなる轍、時の暁、明星戴く灰の塔」
立て続けに紡がれた言葉に、冒険者は疑問符を浮かべる。
何かの呪文、あるいは詩のような言葉だが、意味も意図も分からない。

「この問いが分かれば、君もきっと"先"に招かれるだろう」
男は最後にそう言った。
「またの出会いを楽しみにしているよ。冒険者君」


結果・報酬
内容合言葉《賢者の合言葉》を獲得

《賢者の合言葉》 ★★★★★合言葉 重量0/0G
※取引不可・このアイテムは使用されない限り失われない。
このアイテムはPTメンバーと同日に使用できず、
PTメンバー全員がキャンペーンシナリオ~智慧の鍵~のチャプター3以降を
進行している場合のみ使用できる。

🔁使用効果:進行度8以上で≪霊峰ヒェス・ギーネ・中腹≫で冒険を行っている場合、
自分の冒険に対して使用できる。
次回冒険日、診断名を「【大いなる轍、時の暁、明星戴く灰の塔】」にして結果を出力する。
この冒険結果は冒険者につき一度しか出力できない。
この冒険結果を出力した場合、このアイテムは失われる。


チャプター進行条件
条件≪霊峰ヒェス・ギーネ・中腹≫にて
自分または同エリアのPTメンバーが
〈"智慧の鍵"メティス〉との戦闘に勝利する。
中断可能
⚜️チャプターを進行する▼

❖チャプター4


「……正解よ」
"智慧の鍵"、悪魔メティスはそう言って悠然と手を叩く。
褒めてくれているのだろうか、それにしては偉そうな態度ではあるが。

大いなる轍、時の暁、明星戴く灰の塔。
「大いなる轍」は、文明によって刻まれた歴史の轍。
「時の暁」は、時間の観測、歴史の記録の始まり。
そして「明星戴く灰の塔」とは、試行錯誤の末に積み重ねられた失敗の数々を指す。

――要するに、どれも人間が築いた文明史そのもののことを示しているのだ。
この言葉が、実際この場においてどういった意味を持つのかは定かではないが……。

「私が主の元まで案内するわ。
 ……もっとも、それで何を得るのか、あなたが器たりえるのかは、あなた次第」

メティスがそう言うと、隣にもう一人の悪魔が降り立った。
よく似た、双子の悪魔だ。その姿を、冒険者もよく知っている。

「……まさか、あなたを案内することになるなんて」
隣に立った悪魔ソフィアは、少し不服そうにそう言った。
「……この山の試練を越えられるかどうか」
「あなたが"勇者の器"に相応しいかどうか」
「「私達が、見定めましょう」」


報酬
内容実績<接続:霊峰ヒェス・ギーネ・山頂>を獲得
End


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